ニチレイフーズダイレクト


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一日一善、身体に薬膳

Vol.2 創刊号 ('98/07/17)
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【本日の菜譜】
◆なぜ薬膳なの?

・食は単なるエネルギー補給手段?
中国の古典に「民は食をもって天となす」という言葉があります。統治するものにとって、民の食を確保することの重要性を説いた言葉なのか、食べられさえすれば民にとって国なんか関係ないよなのか、いずれにせよ古来より食の大切さは説かれ続けています。

国家の要職に就く人であろうが、私のようなヒマ人であろうが、食事は生命維持のために欠かせない最も基本的な条件であり、その重要性は誰もが認めるところです。ただしその重要性は認めていても、食事を単にエネルギー補給の手段にしかとらえていない人が多いのではないでしょうか。食物はその組み合わせや調理法によっては、その性質も変化し、体内の代謝に影響を及ぼしたり、ひどい場合には臓器にも影響を与え、病変を生じさせることさえあるのです。

・代謝が関与する病気と食
現在、日本の平均寿命は世界でもトップクラスに位置しますが、代謝が関与する病気、例えば肥満、便秘症、糖尿病、アレルギー性疾病の多さも、世界のトップクラスです。
豊富な食環境のもとで人々が重視するのは、味と栄養という2点です。それ以外のこと、例えば摂取する食物がその本人に適しているか、さらには季節や寒暑の変化に応じた食事、食材どうしの機能的な働きなどといった点は、ほとんど無視されています。こうした点を無視した食生活が、いわゆる現代病の一因にもなっ
ていると感じています。

・クスリの功罪
また、不合理な食生活が原因による身体の不調に対しても、すぐに強力な化学薬品に頼ってしまう傾向がみられます。服用後、一時的に気分はスッキリしますが、実際の病根を取り除いたわけではありません。薬の効き目が切れたら、症状は前よりひどくなっていたなんて経験があるのではないでしょうか。
化学薬品のすべてを否定しているわけではありません。中医大学というと、鍼灸、漢方薬などだけを勉強しているとお考えの方が多いかもしれませんが、大学での勉強は中国医学が7割で、西洋医学が3割を占めます。中国の医大(西洋医学が主の医大)では、その比率が反対で、西洋医学を7割、中国医学を3割学びます。ですから、私なりに西洋医学の知識も実践も積んでおります。大学の付属病院勤務時には心電図もとれば、MRIも利用していましたし、病状によっては化学薬品の投与もしていました。少し脇道にそれました。話しを元に戻しましょう。

病根が違うところにあるのに強力な薬品を繰り返し服用することは、病状を更に複雑化させます。また副作用を招いて身体を弱め、さらに他の病気にかかりやすくなる、という可能性も増大させます。西洋医学の発展は目覚ましく、毎日のように強力な薬品が開発され、多くの難病を克服してきました。と同時に、化学薬品の服用は人体にも少なからぬ影響を及ぼしています。生物の最も基本的な機能は、適応ということです。もちろん、高度に発達した生物である人体の適応能力が高いことは、いうまでもありません。薬物が体内に入れば、それに対する耐性も生じます。結果、免疫システムにも大きな影響を及ぼすことにもなります。想像を
絶するようなウイルスの出現も、こうしたことに関連しているのではないでしょうか。

・予防医学そして治療補助としての薬膳
中国医学は数千年に及ぶ臨床の蓄積から、薬膳(食餌療法)に関する数多くの書物を世に出し、多くの実践法を考案してきました。薬膳は、中国医学の真骨頂とも言える予防医学の重要な一翼を現在も担っています。日本は豊富な食材に恵まれています。薬膳の知識を応用して、それらをより合理的かつ科学的に調理することは、病気予防にも病気治療(もちろん治療と薬膳の併用という意味です)にもつながるものです。「正気存内、邪不可干(元気な心身に邪気は侵入できない)」です。

*まぐまぐを通じて発行していたメールマガジンです。元中医大学教授の原稿に、ウエブマスターの私が、加筆・翻訳・日本人向けに編集・アレンジいたしています。

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